契約書チェックに毎回40分くらいかけていたのが、Claudeに「リスク条項だけ洗い出して」と頼んだら7分で終わった。読み込む時間を差し引いても、体感で5倍以上速い。
「契約書レビュー68.8%削減」という数字の中身
法務の現場では契約書レビューが68.8%、レポート作成が70%減ったという話が出ている。中身は「一次スクリーニングをAIに丸投げ」しているだけ。
最近、法務系のAI活用ニュースを追っていたら、契約書レビューの時間が68.8%、レポート作成が70%短縮されたという事例をいくつか見かけた。数字だけ見ると法律事務所の特殊な話に思えるけど、やっていることを分解すると意外とシンプルだった。
やっていることは「契約書全文を読み込ませて、リスクになりそうな条項だけを先に洗い出させる」の一点だけ。最終判断は人間がやる前提で、量の多い一次確認をAIに任せている。
これなら法律事務所じゃなくても、副業や本業で契約書・覚書を交わす機会がある人なら誰でも真似できる。実際に自分の契約書で試してみた。
自分の業務委託契約書で実際に試してみた
いつもは全文を頭から読んで気になる箇所にマーカーを引いていたが、その作業をAIに先にやらせてから自分は仕上げ確認だけに回ったら、40分が7分になった。
副業で外部の制作パートナーと交わす業務委託契約書(A4で6ページほど)を題材にした。いつもの自分のやり方は、頭から全文を読んで、気になる条項にマーカーを引いて、あとで見返す、という流れでだいたい40分かかっていた。
今回はまず契約書のテキストをClaudeに渡して、リスク条項だけ先に洗い出させてから、自分はその指摘箇所だけを確認する順番に変えた。
使ったプロンプト(契約書の本文を貼り付けたあとに続けて入力):
「この契約書を読んで、①自分(受託側)に不利な条項、②金額・支払い条件に関わる条項、③解約・違約金に関わる条項の3つに絞って、条項番号つきで一覧にして。それぞれ何が問題になりうるかも1行で添えて」
結果が返ってくるまでが約3分、その一覧を見ながら実際の条文を確認する作業が約4分。合計7分で、いつもの40分と比べて自分の手が動く時間は5分の1以下になった。
AIが実際に拾ってきた箇所
自分が見落としていた「支払いサイト(支払いまでの期間)」の条項を指摘されたのが一番の収穫だった。
今回の契約書で、Claudeが指摘してきたのは主にこの3つ。
- 納品後の検収期間が明記されておらず、支払いサイトが曖昧になっていた条項
- 契約解除時の違約金の起算日が、こちらに不利な読み方もできる書き方になっていた条項
- 秘密保持義務の期間が契約終了後「無期限」になっていた条項
発注してから実際に代金が振り込まれるまでの期間のこと。「検収完了から30日以内」のように契約書に明記されていないと、支払いが延び延びになっても文句が言いにくくなる。
1つ目の支払いサイトの条項は、正直これまで何度も同じ契約書を読み返していたのに自分では気づいていなかった。マーカーを引きながら読んでいても、「量が多い条項の中に埋もれている1行」は見落としやすいということだと思う。
注意点:これは「一次チェック」であって「最終承認」じゃない
AIが「問題なし」と言った条項でも、金額が大きい契約や、相手が初めての取引先の場合は、自分の目でもう一度全文を読む。AIの指摘は「読むべき箇所を絞り込む」ためのものであって、法律的な正しさを保証するものではない。
今回のケースは自分が受託側で、金額もそれほど大きくない案件だったから、AIの一次チェック+自分の最終確認という流れで十分だった。ただし契約金額が大きい、相手が海外企業、専門的な条項が多い、といった場合は、AIのチェックはあくまで足がかりにして、専門家(弁護士や顧問の税理士など)に見てもらう前提は変えないほうがいい。
今日からできること
今抱えている契約書・覚書・利用規約のどれか1つを、上のプロンプトでそのままチェックしてみる。
読む順番を「全文を頭から」から「AIが絞った箇所から」に変えるだけで、確認にかかる時間はかなり変わる。
