AI動画制作の副業相場を調べたら、同じ「SNS向け短尺動画1本」でも1,000円から25万円まで開いていた。値段の差の正体を分解したら、台本パートだけなら自分でも15分で試せることがわかった。
同じ「AI動画」なのに、相場が1,000円から25万円まで開いていた
スコープ(どこまで請け負うか)が違うだけで、単価は250倍変わる。
クラウドソーシング大手のランサーズを調べると、TikTokやリールなど縦型60秒前後のショート動画編集は1本2,000円〜8,000円が相場。カットとテロップだけの単純編集なら1本1,000円前後まで下がる案件も多いとわかった。
一方で、企画・台本・AI生成・編集まで一式を請け負う「SNS向け短尺動画(15〜30秒)」の相場を別の調査記事で見ると、3万円〜25万円、納期は5〜10営業日という数字が出てきた。
「AI動画の副業」で検索して出てくる金額は、記事によって前提にしているスコープがバラバラ。単価だけを比較すると、同じ「1本」のはずなのに桁が変わって混乱する。
相場の中身を分解すると、値段は「時間」でできていた
安い方も高い方も、根っこは同じ。かかる時間の分だけ値段になっている。
企画から生成まで一式の場合、30秒動画1本にかかる人的工程の内訳は次の通りだった。
- リサーチ:約45分
- 企画・構成:60〜90分
- 画像生成:約45分
- 動画化:約60分
- BGM選定:約15分
- ナレーション生成・調整:約15分
- 編集:約45分
合計すると5〜6時間。「AIなら1時間で完成」という触れ込みとはかけ離れていて、8カットの動画なら裏側で約30枚の生成と選別が発生するとも書かれていた。逆に言えば、単純編集だけを請け負う1,000円〜8,000円の案件は、この工程のうち「編集」だけを切り出しているから安い。
値段を決めているのは「AIを使っているかどうか」ではなく「どの工程まで自分がやるか」。ここを理解せずに安い案件に飛びつくと、時給換算で消耗するだけになる。
台本パートだけ、自分で15分やってみた
企画・台本・ナレーション原稿の3つだけなら、Claudeに投げて15分で終わった。
試しに、自分のnote記事1本を宣伝する30秒のSNS動画を想定して、企画・台本・ナレーション原稿だけを作ってみた。手書きなら構成を考えるだけで30分はかかりそうな内容が、プロンプト1本で終わった。
「以下のnote記事を、30秒のSNS動画(TikTok/リール想定)で紹介したい。①冒頭3秒でつかむフック文、②本編20秒分のナレーション原稿(1文1カット・全6カット目安)、③ラスト7秒のCTA文、の3点をセットで作って。記事の要点:〔ここに記事の要点を3行で貼る〕」
出てきたのは、フック文・6カット分のナレーション・CTA文がセットになった原稿。実際にこれをそのまま読み上げれば30秒に収まる分量で、修正したのは語尾を2箇所直しただけだった。所要時間は約15分(プロンプト作成5分+出力の読み合わせ・修正10分)。ここに動画化・画像生成・編集を足すと、前段で見た5〜6時間の内訳のうち約1.5〜2時間分(リサーチ・企画・ナレーション調整)を圧縮できる計算になる。
受注するなら、どのスコープで戦うか
「編集だけ」の1,000円市場ではなく、「企画から一式」の3万円〜市場を狙う方が、AIを使う意味がある。
悪い例:「動画編集できます、AIも使えます」とだけ書いて、カット・テロップ案件(1,000円〜)に応募し続ける
良い例:「企画〜台本〜ナレーション原稿までAIで15分、動画化・編集まで一式対応」と、圧縮できる工程を明記して3万円〜の案件に応募する
単純編集市場は「初心者向けの低単価案件が買い手市場」で価格が下がり続けている一方、企画から一式を任せられる人はまだ少ない。以前、AI副業を「ツール操作」「専門知識」「ビジネス」の3層で自己採点した記事を書いたが、今回の台本パートは「ツール操作」の層をそのまま底上げできる具体例だった。
今日からできること
自分が発信している記事やSNS投稿を1つ選んで、上のプロンプトの〔ここに記事の要点を3行で貼る〕部分を実際の内容に差し替えて試してみる。15分で30秒動画の原稿一式ができるかどうかを、まず自分の得意分野で確かめてから、案件に応募するかを判断するのがいい。
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