神戸市水道局の「図面セルフチェックAI」の発表を読み、自分の投稿前チェックが見ている項目を数えたら4項目だった。誤った数字を入れた偽の記事を通すと、そのまま合格した。
神戸市のAIが見ているのは「書いてあるか」だけ
水道工事の図面を、申請前に業者が自分でAIにかけて記載漏れを直せる。審査する側のAIを、提出する側にも配った形。
富士通Japanが2025年7月23日に出したプレスリリースを読んだ。内容は次のとおり。
- 家庭の水道管やメーターの設計図の審査は、簡易なものだけで年間約6,000件
- 審査用のAIアプリは2024年7月から神戸市水道局で運用中
- 同じ仕組みを業者向けに作り、指定工事事業者約800社へ順次提供
- 図面から約30種類の給水装置記号と、配水管の口径・管種・布設年度の文字を検出
- 記載が必須の記号の有無を、図面上に色つきでOK・NGと表示
AIが判定するのは、必須の記号や文字が図面に載っているかどうか。設計の中身が正しいかどうかの判断は、発表には書かれていなかった。審査期間を何日縮めたかという数字も、この発表には載っていない。
提出前に自分でかけられるチェックは、「載っているか」を確かめる仕事に向いている。申請の手戻りが減る理由はそこにある、とリリースは説明している。
自分の投稿前チェックを数えたら4項目だった
ブログの自動投稿には機械チェックを付けている。見ているのは文字数・見出し数・装飾ブロック・リンク切れの4つだけ。
下書きとして保存した記事を、公開する前に機械チェックにかける。見ている項目は次の4つ。
- タグを除いた文字数が1,200字以上か
- 見出し(h2)が2個以上か
- 装飾ブロックが1個以上か
- 外部リンクが404になっていないか
神戸市のAIが記号の有無を見るのと同じで、こちらも「あるか」を見ている。中身が正しいかは見ていない。それを確かめるため、わざと誤りを入れた記事を作って通してみた。
誤った記事を通した結果
「本日の日経平均は10万円を突破し、全銘柄が値上がりした」という架空の文を繰り返し、文字数と見出しと装飾ブロックだけ条件に合わせた。
文字数:1,580字(基準1,200字)OK
h2見出し:2個(基準2個)OK
装飾ブロック:1個(基準1個)OK
外部URL:なし
判定:合格
この機械チェックが止めるのは、形が足りないときだけだった。投稿ログに残っている限り、止まった実例は10月5日の1本(文字数不足で2回)で、事実の誤りで止まった記録はない。
機械チェックに合格しても、記事が正しいとは限らなかった。事実の裏取りは、機械チェックとは別に、書く前の作業として残っている。
今日からできること:提出前チェックに「中身の項目」を足す
「載っているか」に加えて「数字の出どころが書いてあるか」を、提出前の確認項目に足してみる。
提出前の資料やメールに、次の依頼文をそのまま使える。
次の文章を提出前にチェックして。項目ごとにOKかNGで答えて、NGは該当箇所を引用して。
1. 日付・金額・宛先が全部書いてあるか
2. 数字ごとに、出どころ(資料名か日付)が文中にあるか
3. 出どころがない数字は「⚠未確認」と書いてあるか
最後に、中身が正しいかどうかは判定できないので、人が確認すべき数字を一覧にして。
最後の1行が、今回の神戸市の事例から取った点だった。AIに「正しいか」を判定させず、「人が見るべき場所」を出させる。載っているかの確認はAIに任せ、正しいかの確認は人に残す。
