ターミナル(黒い画面にコマンドを打ち込むやつ)を一度も開かず、ブラウザのタブだけでAIエージェントに自分の文章ファイルの修正をやらせてみた。指示文を書くのにかかったのは2分、あとは眺めているだけで終わった。
「AIエージェント」と聞くと、エンジニアが黒い画面でカタカタやるイメージがあって、自分には関係ないと思っていた。でも2026年のいま、その入口はブラウザのなかにある。今日はその話をしてみたい。
そもそも「チャットAI」と「AIエージェント」は別物だった
チャットAIは「答えを返す」だけ。エージェントは「実際に手を動かして作業を終わらせる」。ここが決定的に違う。
ふだん使うチャット型のAIは、こちらが質問すると文章で答えを返してくれる。便利だけど、最後にコピペして自分のファイルに貼るのは自分の仕事だった。エージェントはそこが違っていて、ファイルを開いて、直して、保存するところまで自分でやる。私は最初、この違いがピンと来ていなかった。
人間が一度指示を出すと、途中の作業を自分で判断しながら最後まで進めてくれるAIのこと。「要約して」と頼むチャットAIに対して、エージェントは「このフォルダの記事ぜんぶの誤字を直して保存して」まで引き受ける。
必要なのはブラウザとログインだけ(claude.ai/code)
インストールも環境構築もゼロ。ブラウザでログインして、URLを claude.ai/code に変えるだけで画面が立ち上がった。
2026年のClaude Codeは、黒い画面版(CLI)に加えて、パソコンのアプリ版、ブラウザ版、エディタ拡張版の4つの入口がある。このうち非エンジニアがいちばん触りやすいのがブラウザ版だ。Node.jsとか開発ツールのインストールは一切いらない。入口は次の2通り。
- Claudeにログイン後、アドレスバーのURLを
claude.ai/codeに書き換える。 - サイドバーの「Code」タブをクリックする。
どちらでも同じ画面が開く。初回だけ、自分の作業ファイルを置いてあるGitHub(ファイルを保管・共有するネット上の倉庫のようなサービス)との接続を1回設定する。ここだけ少し手間だが、一度つないでしまえば次からはURLを開くだけだ。
実際にやってみた:ブログ下書きの表記ゆれ直しを2分で投げた
全文を読み返して手で直すと30分。エージェントに日本語で頼んだら、私の実作業は指示を書く2分だけになった。
題材は、書きかけのブログ下書きファイル。「ですます」と「だ・である」が混在していて、表記ゆれ(「AI」と「AI」みたいな全角・半角のばらつき)もあった。これを手で直すと、全文を読み直しながらの作業で毎回30分くらいかかっていた。
ブラウザ版の入力欄に、こう投げた。
draft.md の文体を「ですます調」に統一して。全角の英数字は半角に直して。意味は変えず、直した箇所だけ最後にリストで教えて。
あとは待つだけ。エージェントが該当ファイルを開き、文体をそろえ、全角英数を半角に直し、最後に「直した箇所」を一覧で出してくれた。私がやったのは指示文を書く2分と、出てきた変更点に目を通すこと。コマンドは1文字も打っていない。コツは「この段落だけ」「この1ファイルだけ」と範囲を区切ること。指示が具体的なほど、結果の確認も一瞬で終わった。
つまずきやすいポイント
無料プランでは使えない。そして「全部おまかせ」にしないこと。
ブラウザ版(claude.ai/code)は、2026年時点で有料のProプラン以上が対象のお試し提供(Research Preview)。無料プランでは出てこない。また、エージェントは実際にファイルを書き換えるので、大事なファイルを渡す前にコピーを取っておくと安心。最初は「下書き」「メモ」みたいな、壊れても困らないもので試すのがいい。
最初から長い文章をまるごと任せるより、範囲を区切ったほうが結果を確認しやすくて失敗が少なかった。慣れてから広げればいい。
今日からできること
ProプランでClaudeを使っているなら、ログインして claude.ai/code を開き、壊れても困らない下書きファイルを1つ用意して、こう打ってみる。コマンドは不要、日本語でいい。
このファイルの誤字脱字と表記ゆれだけ直して。意味は変えないで。直した箇所を最後にリストで教えて。
「答えをもらう」から「作業を終わらせてもらう」へ。その一歩目は、黒い画面ではなく、いつものブラウザのタブのなかにある。
