長文の資料を3分割してAIに読ませていたのをやめた。ClaudeのモデルがSonnet 5に切り替わって、コンテキストウィンドウ(AIが一度に読める文章量の上限)が100万トークンまで広がったからだ。分割してコピペしていた手間が、まるごと消えた。
何が変わったか
2026年6月30日、AnthropicがClaude Sonnet 5を全プラン共通のデフォルトモデルに切り替えた。上位モデルのOpus 4.8に迫る性能を、より低い価格で使えるようになったのが要点。
これまで使っていたモデルは、1回のやり取りで読み込める文章量に上限があった。長い会議メモや過去ログをまとめて読ませようとすると、途中で「ここまでしか読めません」と切られてしまい、資料を2つ、3つに分割してコピペし、AIの返答も分割してつなぎ合わせる作業が発生していた。
AIが一度の会話で覚えていられる文章量の上限のこと。トークンという単位で数え、日本語だとおおよそ1トークン=1〜2文字程度に相当する。上限を超えると、古い部分から会話をAIが忘れていく。
Sonnet 5になってこの上限が100万トークンに広がった。日本語の原稿用紙(400字詰め)に換算すると、単純計算で約1,000枚分を一度に読み込める計算になる。
実際にやってみた
半年分・50本近い自分のブログ投稿ログを、分割せず一括で読ませて重複チェックをさせた。分割作業がゼロになり、作業時間は15分から5分に縮んだ。
試したのは、このブログの過去記事タイトルと概要を溜めている投稿ログファイルを丸ごとAIに渡し、「次に書こうとしているテーマと重複していないか」をチェックさせる作業。以前のモデルでは1回で読み切れず、ログを前半・後半に分けて2回に分けて読ませ、それぞれの回答を自分で見比べて「重複なし」を確認していた。この見比べ作業に毎回15分くらいかかっていた。
実際に使ったプロンプト例:
「以下は私のブログの投稿ログ全文です。今日書こうとしているテーマは『◯◯』です。過去記事と内容が重複していないか、重複している場合はどの記事とどう似ているかを指摘してください。」(ログ全文を貼り付け)
Sonnet 5だとログ全文を1回で渡せるので、AIの返答も1本にまとまる。見比べる作業自体がなくなり、体感で10分の短縮になった。ファイルが大きくなるほど、この差は開いていくはずだ。
分割が要らなくなると、単に時間が縮むだけでなく「分割の境目で文脈が切れて、AIが前半の内容を踏まえずに後半を読んでしまう」というミスも消える。長い議事録や過去ログを扱う仕事ほど恩恵が大きい。
使うときに注意したこと
「読める量が増えた」は「読ませればいい」ではない。渡す資料が本当に必要な範囲かは、結局自分で判断するしかない。
一括で読ませられるようになったからといって、関係ない資料まで全部貼り付けると、AIの回答がぼやけることがあった。今回の重複チェックでも、直近1週間分だけに絞った方が「今日のテーマに近い記事」への言及が的確だった。半年分をまるごと渡した1回目より、絞り込んだ2回目の方が使えるコメントだった。
悪い例:手元にある資料を片っ端から全部貼り付けて「重複チェックして」とだけ頼む
良い例:直近2〜4週間分など、今のテーマと関係が深い範囲に絞って渡し、チェックしてほしい観点(重複・切り口の近さ・数字の重複)を具体的に書く
今日からできること
分割してコピペしていた長文資料が手元にあるなら、まず1回、分割せずにそのまま貼り付けてみるといい。読める量が増えたことより、分割・統合という作業自体が要らなくなったことの方が、日々の作業時間には効いてくる。試すときのプロンプトは「以下は◯◯の全文です(分割せず貼り付け)。全体を踏まえた上で、◯◯について教えてください。」のように、渡す資料の範囲を絞った上で全文を貼るだけでいい。
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※本記事の価格・仕様はAnthropic公式発表(2026年6月30日)等の一次情報に基づく2026年8月時点の情報です。
