【テーマ・制度の話】「骨太の方針2026」で政府はプライマリーバランス(PB)の単年度黒字化目標を取り下げたのに、その2026年度予算そのものはPBが28年ぶりに黒字化した——財政規律の物差しが変わったタイミングで起きたこの逆説を、会社員インデックス投資家の目線で整理する。
骨太の方針2026で、PB単年度目標が消えた
「単年度でPBを黒字にする」という縛りをやめ、複数年度・債務残高対GDP比の低下で財政を測る方式に切り替わった。
高市首相は衆院予算委員会で、これまでの「2025〜2026年度にPBを黒字化する」という単年度目標について、達成状況を毎年チェックする方式を取り下げ、「数年単位でバランスを確認する」方向に見直すと説明した。これを受けた「骨太の方針2026」では、国・地方の総債務残高対GDP比の安定的低下を財政運営の目標の中核に据え、PBは「その低下と整合するよう複数年で管理する、確認のための指標」という位置づけに変わっている。PBの単年度黒字化時期を機械的に追わない、と明記された形だ。
ポイント:財政の合格ラインが「毎年のPB黒字」から「数年かけての債務残高比率の低下」に変わった。単年度の帳尻よりも、複数年の トレンドで見る運営に切り替わったということ。
それでも2026年度予算は、当初予算ベースで28年ぶりにPBが黒字化した
目標を外した直後の予算で、皮肉にも実際のPBは1998年度以来28年ぶりに黒字となった。
2026年度予算の政府案では、一般会計の基礎的財政収支(PB)が黒字となり、当初予算ベースでの黒字化は1998年度以来28年ぶりという異例の水準になった。国債費が31兆2758億円、国債発行額が29兆5840億円で、単純な差額なら1兆6918億円の黒字になる計算だが、実際に公表されたPBの黒字幅は1兆3429億円で、そこに3489億円のズレがある。この差の内訳(何が黒字幅を縮めているか)は、今回確認できた公開情報の範囲では特定できなかった。数字だけを見て「思ったより黒字が小さい理由」を断定しないほうがいい。
2026年度予算(一般会計)
国債費:31兆2758億円
国債発行額:29兆5840億円
基礎的財政収支:1兆3429億円の黒字(当初予算ベースで1998年度以来28年ぶり)
目標を外したのに黒字、という組み合わせをどう読むか
目標撤廃の狙いは「機動的な財政出動」だったはずが、直近の予算はむしろ黒字寄りに振れている。
PBの単年度目標を外した本来の狙いは、景気対策や成長投資のために機動的にお金を使いやすくすることだったはずだ。ところが実際にできた2026年度予算はPBが黒字という、狙いとは逆方向の結果になっている。「目標を緩めた=これからじゃぶじゃぶ財政出動する」と単純化して受け取るのは早計で、少なくとも初年度の数字はそうなっていない、という事実は押さえておきたい。
国債の発行・償還を除いた歳入(税収など)と、国債の元利払いを除いた歳出(政策的経費)の収支。ここが黒字なら「その年の政策経費を、新たな借金に頼らず税収などでまかなえている」状態を示す。財政の健全度を測る代表的な指標の一つ。
会社員インデックス投資家として、次に見ておく場所
財政規律の物差しが変わったことより、その結果として国債発行や長期金利がどう動くかのほうが、ポートフォリオへの影響は大きい。
ここ数週間の当ブログでも触れてきた通り、日本の長期金利(10年国債利回り)はすでに3%台まで上昇していて、財政悪化への警戒がその一因として挙げられてきた。今回の「複数年度管理」への転換は、単年度の帳尻に縛られずに済む分、将来的に国債発行が増えやすくなる余地を作った制度変更とも読める。実際の予算がどう組まれるかは今回のように単年度では黒字にもなり得るので、一喜一憂するより、今後数年の国債発行動向と長期金利の水準を定点で見ておくほうが実務的だ。つみたてNISAやiDeCoで債券ファンドや個人向け国債を組み込んでいる人は、この「単年度では読めない」財政運営スタンスの変化を頭の片隅に置いておいて損はないと自分は考えている。
注意点:今回の数字だけで「財政規律が緩んだ」「厳しくなった」と結論づけるのは早い。物差しが変わったばかりで、複数年で見て初めて評価が定まるルールになっている。
出典:日本経済新聞「高市首相、プライマリーバランスの黒字化『数年単位で確認』」、野村総合研究所(木内登英氏)コラム、Yahoo!ニュース エキスパート(土居丈朗氏)2026年9月時点の公開情報
※本記事はAIが収集した公開情報をもとに自動生成したものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
