クラウドソーシング(企業がフリーランスに仕事を公募・発注できるオンラインサービス。ランサーズ・クラウドワークス等)の求人動向を調べたら、AI副業の勝ち筋が「AIを使えること」から「専門知識を持っていること」に移っていた。自分の本業(学習塾業界のフランチャイズ本部運営)の知識を副業にどう生かせているか、棚卸ししてみた。
クラウドソーシングで「簡単な仕事」が減っている
単純なライティング・デザイン案件が減り、専門知識が要る「企画」「編集」系の高単価案件が増えている。
日経クロストレンドの記事によると、クラウドソーシング市場では「簡単な『ライティング』や『デザイン』といった業務は減少」し、代わりに「『企画』や『編集』など、専門知識や経験を必要とする高単価な案件が増加」しているという。理由は単純で、企業側がAIを使って単純作業を自社で内製できるようになったから。クラウドソーシングは「単純作業の外注の場から、専門人材がスキルを提供する場へ」と性格を変えつつある。
「AIで文章が書けます」だけでは、もう差別化にならない。AI操作スキルはみんな持っている前提になった。
過去に自分が書いた2本のズレに気づいた
「単価の中身」を調べた記事はあったが、「なぜその単価がつくのか」の軸は整理していなかった。
このブログでは過去に、AI副業の相場を3層スキル(ツール操作・専門知識・ビジネス)で自己採点した記事と、LP制作の相場が3万円から40万円まで開く理由を調べた記事を書いた。どちらも「今どれくらい稼げるか」の中身の整理で、「なぜそこまで単価が開くのか」の根っこは書いていなかった。答えは今回調べて分かった。開くのは作業量の差ではなく、専門知識をどれだけ乗せられるかの差だった。
自分の専門知識を棚卸ししてみた
本業で10年以上扱ってきた「学習塾の数字の読み方」は、AIに教えれば副業の武器になる。
本業では、学習塾のフランチャイズ本部で、校舎ごとの生徒数・合格実績・保護者アンケートの数字を読んで、加盟校向けの改善提案を作る仕事をしている。この「業界特有の数字の読み方」自体は、AIは持っていない。持っているのは自分の側だ。
- どの数字が実は業界の慣習で「盛られやすい」か
- 保護者・生徒目線での「刺さる/刺さらない」の勘所
- 校舎現場が本当に困っている業務のボトルネック
この3つは、検索しても出てこない。実際に現場の数字と向き合ってきた人間しか持っていない情報だ。AIに渡す指示(プロンプト)にこの勘所を混ぜ込むと、生成物の質が一段変わる。
実際に使っているプロンプトの骨格(業界名・数字は自分の専門分野に置き換えて使える):
「あなたは〇〇業界のコンサルタント。以下のデータから、現場が本当に困っているボトルネックを3つ挙げて。一般論ではなく、〇〇業界特有の事情(△△という慣習がある、□□という制約がある)を踏まえて答えて。」
専門知識があっても、裏取りはサボれない
「専門知識×AI」は差別化の武器になるが、その専門知識自体が古い・偏っていれば逆効果になる。
このブログでも、企業のAI活用事例を紹介した記事で、出典の数字が実は誤帰属だったり、web上で使い回されているだけの未確認情報だったりして、何度か書き直した経験がある。専門知識があるからこそ「自分の勘は正しいはず」と検証を飛ばしがちになる。差別化の軸になるのは、専門知識そのものではなく「専門知識をAIに正しく渡して、出てきたものを自分の目で検証できること」の方だ。
悪い例:「AIさん、うちの業界向けに何か提案して」(丸投げ、専門知識を渡していない)
良い例:「うちの業界では◯◯という慣習がある。それを踏まえて、△△という制約下で成立する提案を3つ」(専門知識を先に渡す)
今日からできること
自分の本業・専門分野で「検索しても出てこない勘所」を3つ、紙に書き出してみる。次にAIへ何か頼むとき、その3つのうち1つを指示文の冒頭に混ぜてみる。出てくる答えの解像度が変わるはずだ。
あわせて読みたい
AI副業の「3層スキル」フレームワークで自分を採点したら、一番弱い層が10点満点中2点だった
LP制作の副業相場を調べたら、頼む範囲で3万円から40万円まで開いていた
