【テーマ・制度の話】AI一強だった2026年の米国株相場で、量子コンピュータとGLP-1肥満治療薬という2つの非AIテーマが数字の上でも存在感を強めている。ただしどちらも「伸びは本物、でも中身は別物」で、同じテーマ株の中でも明暗が分かれ始めている。
NVIDIAやAMDのAI半導体決算を追いかけるのに疲れてきた、という会社員投資家は自分だけではないと思う。今回は視点を変えて、AI以外で数字が動いている2つのテーマ――量子コンピュータとGLP-1(肥満治療薬)――を覗いてみた。
生成AI相場は4年目、物色の裾野が広がり始めている
生成AIブームは4年目に入り、投資家の関心は「AI半導体そのもの」から周辺テーマへ広がりつつある。
AI半導体一本足だった相場の物色対象が、フィジカルAI(ロボット・自動運転)、量子コンピュータ、宇宙関連、そしてAIとは別軸のGLP-1創薬まで広がってきている。これは「AIブームが終わった」のではなく「AI一色だった資金の置き場所が分散し始めた」と読むのが自然だと自分は考えている。
この記事では、その中でも数字の動きが分かりやすい「量子コンピュータ」と「GLP-1」の2つに絞って見ていく。
量子コンピュータ:成長率は本物、でも株価は「宝くじ」に近い
IonQとRigettiは売上こそ前年比数倍のペースで伸びているが、株価は売上の100倍〜800倍という極端な水準まで買われており、直近では大口保有者による売却警告も出ている。
IonQ(NYSE: IONQ)
・2026年Q1売上:6,467万ドル(前年比+755%)
・通期売上ガイダンス:2億6,000万〜2億7,000万ドル(年率100%超の成長見込み)
・時価総額:約201億ドル、株価売上高倍率(PSR):約109倍
Rigetti Computing(NASDAQ: RGTI)
・2026年Q1売上:440万ドル(前年比ほぼ3倍)
・手元現金:5億6,900万ドル(無借金)
・PSR:約836倍(D-Waveも約791倍)
売上の伸び率だけを見れば、この2社は文句なしの成長株だ。ただしPSR100倍〜800倍という水準は、同業と比べてではなく市場全体で見ても極端な部類に入る。この「期待の乗りすぎ」を裏付けるように、2026年7月22日には量子コンピュータ関連3社(IonQ・Rigetti・D-Wave)をめぐって、大口保有者による総額9億8,800万ドル(約988億円)規模のインサイダー売却が報じられ、市場に警戒感が広がった。
リスク:これら量子コンピュータ企業の内部関係者は過去5年にわたり自社株の売却を続けてきた経緯がある。売上成長の実態と株価評価の乖離が大きいテーマは、「コア・ポートフォリオの主力」ではなく「少額の宝くじ枠」として扱うのが自分の基本スタンスだ。
GLP-1:肥満治療薬市場でイーライリリーが独走、ノボは9,000人削減へ
同じGLP-1(肥満治療薬)テーマの中でも、2026年に入ってイーライリリーとノボノルディスクの明暗がはっきり分かれている。
もともと2型糖尿病治療薬として開発されたホルモン関連薬。食欲抑制効果から肥満治療薬としても急速に普及し、市場規模は2026年に730億〜870億ドル規模、2030年代前半には2,000億ドル超に達すると見込まれている。
イーライリリー(NYSE: LLY)
・Mounjaro売上:前年比+125%
・Zepbound売上:前年比+80%
・2026年Q1総収入:前年比+56%
・2026年通期売上ガイダンス:800億〜830億ドル(中間値で前年比+25%)
ノボノルディスク(NYSE: NVO)
・売上:一定為替ベースで前年比▲4%
・人員削減:9,000人
・Wegovy:米国の新規処方の65%を占める
・新型飲み薬Wegovy:発売から売上22億6,000万ドル、患者数100万人超
数字だけ見るとイーライリリーの独走に見えるが、ノボノルディスクも「主力製品Wegovyが米国新規処方の65%を握っている」という事実は変わらない。人員削減は既存事業の効率化とみることもでき、単純な「勝ち負け」ではなく、同じテーマの中でも成長ステージが違う2社、と捉えるのが実態に近いと自分は考えている。
会社員投資家はこの2つのテーマとどう付き合うか
つみたてNISAで全世界株・S&P500インデックスを積み立てていれば、これらの銘柄はすでに指数構成銘柄として少しずつ保有している。個別に「厚めに乗るか」は別の判断になる。
量子コンピュータは成長率こそ魅力的だが、PSR100倍超・インサイダー売却という材料を考えると「なくなっても困らない金額」の範囲でしか自分は触らない。GLP-1は市場自体が2030年代前半に2,000億ドル規模へ拡大する構造的な話なので、個別銘柄というより「テーマとして長く見ていく」対象だと考えている。
自分ならどう考えるか。量子コンピュータは今回のインサイダー売却報道が出た直後に飛びつくことはせず、決算のたびに「売上成長とPSRの乖離が縮まっているか」だけを定点観測する。GLP-1は個別の勝ち負けを追うより、市場全体の拡大という構造にお金が乗っているETFやヘルスケアセクターの動きで確認する、というのが今の自分のスタンスだ。
出典:The Motley Fool(2026年7月22日)、Yahoo Finance、CNBC(2026年5月)、Forbes JAPAN(2026年)
※本記事はAIが収集した公開情報をもとに自動生成したものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
